第34回大瀬カレンダーフォトコンテスト受賞作品
34th.Ose Calendar Photo Contest Award-winning work
『第34回大瀬カレンダーフォトコンテスト』に大変多くのご応募頂きありがとうございます。入賞作品等は、水中カメラマンの茂野優太さんをはじめとする審査員によって厳正に審査を行ない、決定しましたので、ここに発表させていただきます。
『幼馴染み』山﨑 龍人 さん
受賞者コメント
近くの巣穴に住む大小2匹のアカタチの幼魚。しばらく様子を見ていると小さい子が大きい子に接近していき、くるくると戯れ合い始めました。そんな珍しい光景に夢中でシャッターを切った中の、お気に入りのワンシーンです。
選評
インドアカタチとイッテンアカタチが、まるで寄り添うように写された1枚。
臆病な生き物のはずなのに、こんな貴重な瞬間をこれほど間近で捉えるなんて、一体どう撮影したんだろうと驚かされました。構図も素晴らしく、2匹がシンメトリーに並びながら、小さい個体の下側に空間を残すことで、巣穴から飛び出していることがしっかりと伝わってきます。
このまま2匹でどこかへ行ってしまうのではないか。そんな想像まで膨らませてくれる、物語性のある作品でした。
『子守り』秋元 星哉 さん
受賞者コメント
初夏の海は、さまざまな生き物の産卵や子育てで大忙しいです。大瀬でよく見られるソラスズメダイも例外ではなく、ゴロタ下で子育てをしていました。
壁一面を覆うグレーの粒々は、まだ目も出ていない卵。親は胸びれを動かして新鮮な海水を送りながら、大きく口を開けてこちらを威嚇してきます。その姿はまさに、「子守り」でした。
選評
まさに、生き物の生命の輝きを浮き彫りにした1枚だと思います!
ソラスズメダイの目にも、卵の中の小さな目にもピントを合わせる技術はもちろん、口を開けて勢いよく飛び出してくるオスの姿から、溢れるような生命力を感じました。
技術的な完成度も高く、身近な普通種にもこんなに輝く瞬間があることを見せてくれた作品です。
『静』高木 淳 さん
受賞者コメント
8年ぶりというキアンコウygとの再会。水面近くの中層という条件に苦戦しましたがドリームワークスの藤原さんのアシストで何とか納得できるものが撮影できました。
入賞に選んでいただき感謝するとともにカレンダーとして残ることを心から嬉しく思います。
選評
今年のフォトコンテストではキアンコウの幼魚を撮影した作品が多く見られましたが、その中でも、あえて白黒で表現したことでひときわ目を引いた1枚でした。
特徴的な長い胸ビレまでしっかりと画面に収めながら、キアンコウの幼魚が持つ独特の造形美を印象的に見せています。
被写体の魅力と作者の表現がうまく重なった作品だと思います。
『新しい私』新宮 邦彦 さん
受賞者コメント
甲殻類好きの私。中でもプラスティック細工のような質感のイボイソバナガニは大好きな甲殻類の一つです。この写真の個体も豆粒のように小さい頃から観察してきました。
ある日、いつものように会いに行くと何と脱皮。彼らにとって脱皮直後は体も柔らかく危険な大仕事。私は「お疲れ様」と呟きながらシャッターを切りました。
選評
最後までグランプリ候補として残っていた1枚です。
イボイソバナガニが脱皮した直後の瞬間を捉えており、まだそこに残る脱皮殻と本体、その両方の目にピントが合っていることで、思わず細部まで見入ってしまいました。
さらに素晴らしいのがライティングです。白い脱皮殻を飛ばすことなく、本体とともにしっかりと描写しているところにも撮影技術の高さを感じます。
貴重な瞬間を、写真としてここまで完成度高く見せてくれた作品でした。
『虎視眈々』古菅 正道さん
受賞者コメント
湾内に海草が伸びる5月の後半、明るい日差しの中で、海草に隠れて暮らすネンブツダイと、それを狙うミノカサゴ。繁茂する海草に絡まらない様に、慎重にカメラを差し込んで、ファインダーをのぞかずに、真上に向かってシャッターを切りました。吐いたエアが写り込まないように注意し、狙い通りに撮れたので大満足です。
選評
まるで海藻の迷路に迷い込んだような感覚になる、春の大瀬崎を表現した1枚。
海藻の奥から差し込む光が、春特有のグリーンの海を通ることで、まるで蜃気楼のように滲んで見えます。
決して良いとはいえない透明度を、むしろこの写真ならではの表現に変えているところが印象的でした。手前に海藻の前ボケを入れることで奥行きも生まれ、この季節、この海だからこそ撮れる世界を感じさせてくれる作品です。
『深海のまなざし』山本 圭太 さん
受賞者コメント
サルパが大瀬崎に襲来したときに撮った一枚です。水深3mほどの浅瀬で、動くチゴダラ、安定しない中性浮力、冬のうねりに翻弄されました。
苦労のかいもあって、深海魚ならではの不気味な表情を収めることができました。
選評
まるでポートレート写真のように撮影された、エゾイソアイナメの浮遊期の1枚。
顎の下にある特徴的なヒゲが大きく強調されるように写されていて、ただ美しく撮るだけではなく、その生き物ならではの特徴に目を向けているところが印象的でした。
浮遊系の生き物を美しく捉えた作品が多かった中で、そこに作者独自の視点を加えたことで、しっかりと個性を感じられる作品になっていました。
『センター争い』野中 聡 さん
『命の交差点』棚橋 健晴 さん
『緑のカーテンを纏う』野村 義昭 さん
『でこぼこトリオ』日高 康智 さん
『森の中で」佐藤 充 さん
『フクロノリの海~水中散歩~』上條 悦子 さん
『打ち上げハナビ』佐々木 毅久 さん
『輝く未来』宇治 美来 さん
『ちぃ--っす!』長嶺 真経 さん
『命を紡ぐ紅の幻影』上田 英雄 さん
『恋人たちの季節』小倉 直子 さん
『独眼竜』一村 亮太 さん
『緑のベールに包まれて』吉田 佳世 さん
『万華鏡』檀上 博史 さん
『刻を止めて』山下 健 さん